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あの虹を越えて

“信じる”ことの強さ|ドラマ『トレース~科捜研の男~』視聴録

ドラマ『トレース~科捜研の男~』

ドラマ『トレース~科捜研の男~』

科捜研の女』好きにはたまらないネーミングを冠したドラマ、『トレース~科捜研の男~』。今クールはこのドラマを熱烈視聴中。古賀慶による漫画、『トレース 科捜研法医研究員の追想』がオリジナルとのこと。錦戸くんの演技は失礼ながらこれまで観たことがなかったけれど、俳優としてもすごいのかもしれない。

 

今回、このドラマについても書きたくなったのは、第9話を涙なしに観ることができなかったから。なぜかわからないけど涙してしまった。第9話の主要人物、富樫康太を和田正人(イケメン)が演じているというところで、いつも以上に感情移入してしまったのが理由な気がしなくもないが、それはまぁ、置いておこう。

 

第9話のテーマは“信じる”だったように思う。虎丸さんが何度も「信じてやらなきゃ」って言っていたのが印象的だった。刑事の勘で捜査を進めようとする虎丸さんと科学の裏付けを大切にする真野さんとはいつもぶつかり合うけれど、今回はその勘に真野さんが寄り添うところがなんだかよかった。

思えば、このドラマ全体に通じるテーマが“信じる”なのかもしれない。事件現場に残された「カケラ」を科学的に分析し、裏付けを与える。信じるに足る“科学”による裏付けがなされた「真実のカケラ」を拾い集めて、事件を解決に導く。

真野さん自身は、昔の事件が兄のせいではないと信じている。これは科学とはまた異なる“思い”の話だけど、いまもその「カケラ」を追い求めている。今回はその“信じる”という“思い”と“真実”とが結びつく、そんな話だった。

 

起きてしまったことから逃れることはできないけれど、“真実”は人を救うのだろうか。“真実”を知ることで人は救われるのだろうか。そんなこともこのドラマの問いかけにある。最終回に向けた展開が楽しみである。

 

 

 

トレース~科捜研の男~
#9「今夜、最終章開幕 忍び寄る過去の悪魔」

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